臨床検査技術部
基本情報
臨床検査技術部では、患者さんの一日も早い社会復帰のために、正確かつ迅速な検査結果・情報を提供し、医療チームの一員として24時間体制で日夜業務にあたっています。当院では、大きく分けて中央検査室・微生物検査室・病理検査室・生理検査室の4つの部屋で構成され、34名のスタッフが担当しています。学術活動を積極的におこない知識・技術の向上はもちろんですが、人間性も高め患者さんや全ての方に満足していただける臨床検査技術部を目指し、スタッフ一同日々努力しています。
各種認定・資格を有した臨床検査技師が業務にあたっています。
スタッフ紹介
医師 | 3名(臨床検査科 統括責任者1名、臨床検査科 部長1名、病理診断科 部長1名) |
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臨床検査技師(常勤) | 26名(部長1名、係長1名、主任5名) |
パート職員 | 臨床検査技師 1名 看護師 1名 准看護師 3名 アシスタント 3名 |
認定・資格取得一覧
認定・資格名 | 認定機関 | 取得人数 |
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国内細胞検査士(JSC) | 公益社団法人日本臨床細胞学会 | 2名 |
国際細胞検査士(IAC) | THE INTERNATIONAL ACADEMY OF CYTOLOGY | 1名 |
超音波検査士(消化器) | 一般社団法人日本超音波医学会 | 4名 |
超音波検査士(体表臓器) | 一般社団法人日本超音波医学会 | 2名 |
超音波検査士(循環器) | 一般社団法人日本超音波医学会 | 3名 |
乳がん検査超音波検査実施技師 | NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構 | 1名 |
認定一般検査技師 | 一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 | 3名 |
認定病理検査技師 | 一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 | 1名 |
認定心電図専門士 | 一般社団法人日本不整脈心電学会 | 1名 |
二級臨床検査士(血液学) | 一般社団法人日本臨床検査医学会 | 1名 |
二級臨床検査士(免疫血清学) | 一般社団法人日本臨床検査医学会 | 1名 |
二級臨床検査士(病理学) | 一般社団法人日本臨床検査医学会 | 2名 |
二級臨床検査士(微生物学) | 一般社団法人日本臨床検査医学会 | 2名 |
二級臨床検査士(循環生理学) | 一般社団法人日本臨床検査医学会 | 1名 |
緊急臨床検査士 | 一般社団法人日本臨床検査医学会 | 5名 |
医療情報技師 | 一般社団法人日本医療情報学会 | 1名 |
福岡糖尿病療養指導士(LCDE) | 福岡糖尿病療養指導士認定会 | 2名 |
分析機器・試薬アナリスト検定 | 特定非営利活動法人生物試料分析科学会 | 1名 |
認定穿刺液細胞検査技師 | 一般社団法人日本臨床一般検査学会 | 1名 |
精度管理責任者育成講習会修了 | 一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 | 1名 |
上級バイオ技術者 | NPO法人日本バイオ技術教育学会 | 1名 |
第2種ME技術実力検定試験 | 一般社団法人日本生体医工学会 | 1名 |
健康食品管理士 | 一般社団法人日本食品安全協会 | 1名 |
特定化学物質作業主任者 | 公益社団法人福岡県労働基準協会連合会 | 1名 |
有機溶剤作業主任者 | 公益社団法人福岡県労働基準協会連合会 | 1名 |
毒物劇物取扱者 | 県知事 | 4名 |
上級救命講習修了 | 消防本部 | 1名 |
普通救命講習Ⅰ修了 | 消防本部 | 2名 |
臨床検査技師臨地実習指導者講習会終了 | 一般社団法人日本臨床衛生検査技師会・日本臨床検査学教育協議会・厚生労働省医政局長 | 1名 |
タスク・シフト/シェアに関する厚生労働大臣指定講習会修了 | 一般社団法人日本臨床衛生検査技師会・厚生労働省医政局長 | 5名 |
私たちの仕事
中央検査室
採血業務
採血時の注意点
- 採血時にご気分が悪くなったことがある方はお申し出ください。
- ラテックスやアルコールのアレルギーがある方はお申し出ください。
- 透析でシャントがある患者さんや、乳房切除術を受けた患者さんは反対側の腕から採血をおこないます。
- 採血中にひどい痛みやしびれがあるときは遠慮なくお申し出ください。
採血後の注意点
- 採血後は穿刺部から血液が出やすくなっています。5分間以上は穿刺部位を押さえてください。
- まれに止血後に血液が漏れ出てくることがあります。採血後20~30分は、採血した腕で荷物など重いものを持たないでください。
- 採血部位が青くなったり、痛みが生じる場合があります。
- 万一、症状が改善しない場合は採血室または主治医にご相談ください。
一般検査
尿検査
患者さんから提出して頂いた尿、便などから検査をおこないます。 血液が腎臓で濾過された老廃物を尿として排出しています。尿中の成分を調べることで糖尿病や腎臓、泌尿器系疾患の発見や病態を把握することができます。
- 尿定性検査
尿定性検査とは自動分析器で尿試験紙を用いて、尿中のタンパク質、糖、赤血球などの成分を測定します。 - 尿沈渣検査
どのくらい赤血球、白血球、その他の細胞が尿中に出現しているか、癌細胞が出ていないかなど、尿の沈渣成分を顕微鏡で観察し、詳しく検査しています。
便潜血反応
血液検査
自動血球分析装置を用いて血液中の細胞(赤血球・白血球・血小板)などの数を測定しています(血算)。同時に白血球を5種類(好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球)に分類しています(血液像)。また、それぞれに数的異常や質的異常があれば血液塗抹標本を作製し顕微鏡で観察して、血液疾患の発見や治療効果の判定に有用な情報を提供しています。主に次のような項目を測定しています。
赤血球
赤血球は骨髄で産生され、ヘモグロビンを通じて酸素を体の隅々まで運び、不要になった二酸化炭素を運び出す働きをしています。赤血球の数が減少すると必要な量の酸素が送られなくなり、貧血になります。反対に増えすぎると多血症と呼ばれ、血液の流れが悪くなり、血管がつまる原因にもなります。
白血球
白血球は体内に細菌やウイルス、異物などが侵入したとき、細菌を取り込んで処理したり、免疫抗体を作ってウイルスやがん細胞を破壊したりして、からだを守る働きをしています。このような細菌やウイルスの侵入により白血球は増加したり減少したりしますが、白血病などの血液疾患の場合でも白血球が増加したり減少したりします。そのため、血液塗抹標本を顕微鏡で観察し、疾患の判定に用います。
血小板
凝固検査
出血性疾患 | ・先天性凝固因子欠損症(血友病など) ・後天性血友病 ・von Willebrand病 ・血小板無力症 |
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血栓性疾患 | ・DIC(播種性血管内凝固症候群) ・心筋梗塞、脳梗塞 ・深部静脈血栓症(肺塞栓) ・抗リン脂質抗体症候群など |
血栓治療効果の確認 | ・抗血栓療法(ワーファリン、ヘパリン等) |
生化学検査
血液や尿を自動分析装置を用いて化学的に分析する検査です。酵素や脂質、タンパク質、糖質など約30項目を同時に測定することができます。測定時間は15~20分と短時間ですが、採血から測定するまでの検体処理に時間がかかるため、検査データの報告までには45~60分かかります。測定したデータからは肝臓病や腎臓病、糖尿病、心臓病、高血圧などの診断、治療効果、病態の程度などを知ることができます。
肝機能 | AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、ALP、γ-GTP、ビリルビン など |
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腎機能 | BUN(尿素窒素)、CRE など |
脂質 | T-CHO(総コレステロール)、TG(中性脂肪)、HDL-CHO(善玉コレステロール)、 LDL-CHO(悪玉コレステロール) |
糖尿病 | 血糖(GLU)、HbA1c、グリコアルブミン(GA) |
心筋マーカー | CK、CK-MB、AST(GOT)、LDH |
栄養状態 | アルブミン(ALB)、T-CHO、ChE、Zn(亜鉛) など |
血清免疫検査
また、院内では現在4種(バンコマイシン、バルプロ酸、ジゴキシン、フェニトイン)の薬物血中濃度の測定をおこなっています。薬物の血中濃度が一定の値に達するまで薬の効果はあらわれず、ある値を超えると副作用がおこりやすくなります。薬が有効に作用し、かつ副作用も出ない血中濃度を有効血中濃度といい、この濃度を保つのに最適な服薬量と服薬回数が定められます。
輸血検査
微生物検査室
感染症における原因菌の特定のためのグラム染色・培養、適切な抗生物質投与に必要な薬剤感受性検査、結核菌を代表とする抗酸菌検査などをおこないます。病院感染が社会的にもクローズアップされている昨今、様々な感染症にも対応できるよう日々取り組んでいます。
一般細菌検査
グラム染色
培養
同定・感受性検査
自動分析装置を導入し、微量液体希釈法(MIC)による報告とともに、更なる検査の充実を図っています。また、臨床上問題となる各種の“耐性菌”にも、迅速な対応を心掛けています。
抗酸菌検査
再興感染症として、再び世界的に問題となっている結核菌。若い人から高齢者まで、年齢に関係なく発症します。結核に気付かずにいると、周囲の人にまで感染させ、多くの社会問題となるため、臨床への迅速な対応をモットーにしています。
病院感染防止対策
病理検査室
スタッフ構成
常勤病理医 | 1名(日本病理学会認定病理専門医、日本臨床細胞学会認定細胞診専門医) |
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非常勤病理医 | 2名(日本病理学会認定病理専門医1名、日本臨床細胞学会認定細胞診専門医2名) |
臨床検査技師 | 4名(日本臨床細胞学会認定細胞検査士2名、国際細胞学会認定国際細胞検査士1名) |
アシスタント | 1名 |
医局秘書(病理) | 1名 |
病理組織検査
術中迅速検査
提出された組織材料は-75℃で凍結し、クリオスタットという機器を用いて標本を作製します。その後、迅速にHE染色をおこない、病理医が標本を顕微鏡で観察して、電話で手術室に診断結果を報告しています。検体が提出されてから結果報告までにかかる時間は20~30分程度です。
免疫組織化学検査
細胞診検査
病理解剖
環境への取り組み
- ホルマリン
特定化学物質障害予防規則に遵守し、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した特定化学物質作業主任者を選任し、厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従って適正な作業環境を維持しています。6ヶ月に1回、外部業者による作業環境測定を実施しています。 - キシレン、アセトン、メタノール
有機溶剤中毒予防規則に遵守し、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した有機溶剤作業主任者を選任し、厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従って適正な作業環境を維持しています。6ヶ月に1回、外部業者による作業環境測定を実施しています。
生理検査室
心電図検査
安静時心電図検査
運動負荷心電図検査(トレッドミル)
長時間心電図検査(ホルター心電図)
自律神経機能検査
超音波検査(エコー検査)
超音波を体に当てて、跳ね返ってくる反射波(エコー)を画像化して臓器の状態を調べる検査です。
循環器(心臓、血管)
腹部、体表(乳腺、甲状腺など)
経食道心エコー
その他の検査
ABI(足関節上腕血圧比)
SPP(皮膚組織灌流圧測定)
脳波検査
肺機能検査
肺に出入りする空気の量を測定して、肺の働きの状態を調べる検査です。肺活量などを調べることで肺や気管支の状態、喘息などの呼吸器疾患が無いかを調べます。また、手術前では全身麻酔に体が耐えられるかの評価のために必要な検査です。
24時間血圧測定検査
一定の時間間隔で24時間血圧を自動測定し、一日の血圧の変化を調べる検査です。白衣高血圧(医師の前になると高血圧)、仮面高血圧(測っていない時間帯に高血圧)、ストレス下高血圧(職場で高血圧)など、通常の血圧測定だけでは分からない血圧変動パターンなどを明らかにすることで、的確な治療方針を立てるのに役立ちます。
私たちの取り組み
臨地実習の受け入れ
定期 | 純真学園大学保健医療学部、国際医療福祉大学福岡保健医療学部 |
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スポット | 熊本保健科学大学医学検査学科、美萩野臨床医学専門学校、久留米大学医学部附属臨床検査専門学校、熊本大学医学部保健学科、山口大学医学部保健学科、日本文理大学医療専門学校 |
チーム医療への参加
参加している回診・カンファレンス例
※その他多数のカンファレンスに参加しています。
ワーキンググループ活動
広報ワーキンググループ
院内向け広報誌発行、外部向け広報誌発行、検査説明パンフレット作成 など
医療機器、物品管理・文書管理ワーキンググループ
教育・接遇ワーキンググループ
研修ワーキンググループ
検査説明パンフレット
安心して検査を受けていただくため、臨床検査技術部でおこなっている各種検査についてのパンフレットを作成しています。どのように検査するのか、検査結果により何が分かるのかなど分かりやすい内容となっています。是非ご覧になっていただき、少しでも検査に対する不安や疑問が解消できればと思います。今後も少しずつ種類を増やしていく予定です。
検体検査
- (検体検査vol.1)尿検査(0.2MB)
- (検体検査vol.2)末梢血一般検査(0.2MB)
- (検体検査vol.3)便潜血検査(0.3MB)
- (検体検査vol.4)糖尿病の検査(0.3MB)
- (検体検査vol.5)腎機能検査(0.3MB)
- (検体検査vol.6)肝機能検査(0.2MB)
- (検体検査vol.7)心機能検査(0.4MB)
- (検体検査vol.8)膵臓・胆嚢の検査(0.4MB)
- (検体検査vol.9)血液型検査(0.2MB)
- (検体検査vol.10)輸血検査(0.2MB)
- (検体検査vol.11)肝炎ウイルスの検査(0.3MB)
- (検体検査vol.12)腫瘍マーカー(0.2MB)
- (検体検査vol.13)脂質の検査(0.3MB)
生理検査
細菌検査
病理検査
診療科・部門
- 診療科
- センター・専門外来
- 部門