リハビリのご案内

リハビリの取組み

患者さんの少しでも早い社会復帰を目指して

当法人では、先進的な治療アプローチ方法、様々な機器の導入、他職種でのチームリハビリに取り組んでいます。患者さんが少しでも早く、可能なかぎりもとの生活に戻れるように、患者さんそれぞれの障害に応じて、それら多様な手段を用いたリハビリテーションをご提供いたします。

多種多様なリハビリテーション

歩くためのリハビリ

リハビリテーション対象となる患者さんは様々な障害を持ち、多くの不安を抱えています。そんな患者さんの不安を少しでも軽減さるため、運動療法や物理療法で、身体の基本的な動作の回復や維持、悪化の予防をおこない、「座る、立つ、歩く」といった日常生活の基本となる動作の改善、可能な限り質の高い生活と在宅復帰を目指しリハビリテーションを進めることが、私たちの使命です。そのためには従来のリハビリテーションアプローチに加え先進的なアプローチを取り入れ、様々な機器の導入とスタッフの技術向上に努めています

下肢装具

脳卒中片麻痺患者における歩行訓練において下肢装具は失われた機能を補助し、歩行訓練を円滑に進める役割を持っています。また、生活場面では立位や歩行を補助することで生活の質や能力が大きく変わってきます。そのため、装具の選定には自分の身体に合った装具を選ぶことが大切であり、実際に装具を試用できるよう当法人では多くの種類の装具を用意しています。

ロボットスーツHAL

ロボットスーツHALは身体を動かすとき脳から筋肉へ、神経を通して送られてくる信号を読み取り、それに応じて足を補助し、患者さん自身の足で歩行や立ち座りの訓練をアシストしてくれるロボットです。当法人では平成24年より導入を開始。現在は自立支援用下肢タイプpro(両脚タイプ)を使用し脳卒中を罹患された患者さんを対象に日々の治療に活かしています。

パワーリハビリテーション

無理のない範囲(軽い負荷、軽い運動)でマシンを用いた運動を実施していただいて、全身の活動性を高めていくのがパワーリハビリテーションです。急性期・回復期・維持期の患者さんだけではなく、糖尿病や呼吸器疾患を呈する患者さんや開腹術をされた患者さんなどにも積極的に取り組んでいます。当法人は認定指導員の資格を有しているスタッフが在籍しているため、安心して運動をおこなえます。

生活のためのリハビリ(ADL)

私たちが24時間365日おこなっている生活行為は多岐にわたります。生活行為とは人が生きていくうえで営まれる生活全般の行為のことです。日常生活動作(食事、整容、更衣、排泄、入浴)、手段的日常生活活動(掃除、料理、買い物、洗濯、庭の手入れ、動物の世話など)、仕事や趣味、余暇活動など。当法人リハビリでは様々なアプローチを実施し、本人の「したい、やりたい」を支援します。

日常生活動作訓練、家事動作訓練

基本的な身の回りの動作(食事、洗面、排泄、着替え、入浴)で必要になる動作など方法を工夫し必要な練習をおこない、介助量の軽減、自立を目指しています。家族への介助指導などもおこないます。

退院前訪問指導、退院時訪問指導

退院前や退院の際にご自宅を訪問し、自宅環境調整や家族指導をおこなっています。

食べるためのリハビリ

お食事は、生活をするうえで欠かせないものです。脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)などにより、口や舌の動きにくさや、なかなか飲み込めないなどの症状がみられます。また、食べ物を食べるとムセがでるなどの症状がみられ、窒息や誤嚥、食欲低下などが見られます。食べるためのリハビリでは、言語聴覚士が舌や発語訓練、飲み込みの練習をおこなっており、食べれる口やのど状態を改善させる訓練をおこなっております。

嚥下造影検査(VF)

VFは、食物が口腔内~食道までを通過する動体を観察来ることが出来ます。客観的に嚥下機能の状態を確認する事ができ、治療方針や食物の選定、日々のリハビリ訓練へと繋げる為の検査です。

嚥下内視鏡検査(VE)

VEでは咽頭部の状態を確認し、咽頭部の機能的異常や器質的異常などを確認できます。また、飲み込むとムセ込む時など、食べ方の工夫やリハビリテーション手技の効果確認などをおこないます。また、VF施行時にもこの嚥下内視鏡検査を組み合わせておこなう事で、より咽頭部の状態を確認・評価することができます。

コミュニケーションのためのリハビリ

脳卒中や脳挫傷(交通事故)後により生じた失語症や構音障害、口腔咽頭の治療によって生じる発話の障害、また注意力や記憶力低下などの高次脳機能障害によるコミュニケーション障がいを対象としています。ことばによるコミュニケーションの問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施します。必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助をおこないます。

言語聴覚士による個別リハビリ

失語症者に対しては、個別訓練を中心に機能改善や能力拡大を図ります。また、口腔の運動機能の改善のために、舌圧測定器などを用いた評価や訓練をおこないます。

パソコンやコミュニケーション機器を用いた訓練

舌圧測定器や社会復帰や家庭生活内でのコミュニケーション力拡大のため、パソコンや代替機器を用いた課題や活動のシミュレーションをおこないます。

病棟でのコミュニケーションの定着

やりとりボードを病棟に設置し、いつでも誰とでも思いが伝わるようなツールを導入しています。発症間もない時や回復過程において、伝わらない想いをなんとかくみ取り、多職種とも患者さんが話せる環境作りを推進しています。

高次脳機能障害のリハビリ

脳血管障害や外傷性脳障害、その他脳疾患後に、発症前にはなかった言動がみられるなど、日常生活・社会生活に支障となる「※高次脳機能障害」があります。「見えない障害・隠れた障害」とも言われ、退院後、患者さんの対応にご家族が困ったり、不安を感じられることがあります。当法人では、発症早期から可能な限り退院後の質の高い生活復帰に向けて、診断より脳機能の総合評価をおこないます。リハビリテーション後も専門職種による相談窓口を設けており、症状や対応方法についてご説明いたします。また、退院後に利用できるサービスのご紹介もおこなっています。

高次脳機能障害(主症状)
  • 記憶障害 少し前の出来事や約束を覚えられない。物の置き場を忘れる。日付、人名を覚えられない。
  • 注意障害 気が散りやすい。一つの事に集中できない。同時に複数の事に気配りができない。
  • 遂行機能障害 自分で計画を立てて物事を実行することができない。他者に指示してもらわないと何もできない。行き当たりばったりの行動をする。
  • 半側空間無視 麻痺がある方に注意が向かない。歩行中に麻痺がある方にぶつかっても気が付かない。食事の時に麻痺側半分の食べ残しがある。
  • 失語 スムーズに話ができない。伝えた内容を理解できない。文字が読めない、書けない。話そうとしているが、言葉が出てこない。
  • 社会的行動の障害 発症前と比べると性格が変わった。些細な事で怒りやすい。発症前は活動的だったが、ベッドで寝ている事が多い。
社会復帰支援

回復期リハビリテーション病棟の対象となる患者さんは入院前に様々な社会生活を送っています。家庭での役割、仕事、趣味などがそれに当たります。回復期リハビリテーション病棟ではただ生活をできるようにすることが目標ではありません。個々が持つ、「生きがい」の再獲得に向けても支援したいと考えています。当法人では、「復職・復学支援」「自動車運転再開支援」について注力しております。

復職・復学支援

当法人には、疾患の治療をしながらの就労継続を支援する「両立支援コーディネーター」研修(独立行政法人 労働者健康安全機構主催)を修了したリハビリテーションスタッフが在籍しています。患者さんやご家族、また学校や職場の方とも連携を取りながらの支援をおこなっております。

自動車運転再開支援

自動車運転は社会生活を送る大切な移動手段となります。再開に向けて、運転に必要な運動機能や認知機能を評価しています。また外部の指定自動車学校と連携し、必要に応じて実車評価で運転技能の確認もおこなっております。

自助としてのリハビリ(余暇時間、自主訓練)

自らの困難な問題に対しては、まずは自分自身が考え、行動して、問題の解決を図るよう努めることが大切です。これらの働きを、“自助”といいます。“自助”は、すべての人々に求められる行為であり、豊かな生活を送るための基礎となるものと言われています。ご自宅にお帰りになられてからも自分で行動し、問題解決を図ることができる“自助”の力を養うことができるように、当法人では入院中に自主練習や余暇時間の使い方を提案し、患者さんの自助力の向上に努めております。

セルフプロデュース

入院中から自主練習の習慣を作り、退院後も入院中に獲得した機能の維持または改善に患者さんご自身で取り組めるよう、患者さん個々に応じた自主訓練メニューを提供しております。

集団起立運動

起立運動は脳卒中患者さんの機能的予後を改善するといわれております。一日の中で診療やリハビリも終わった夕方の空き時間を利用して、看護師、リハスタッフが中心となり、提供をおこなっています。回復期リハビリテーション入院中の患者さんを対象とした取り組みです。

排泄プロジェクト

排泄は自宅復帰にあたり重要な項目です。排泄の失敗は様々な理由がありますが、腹圧性尿失禁に対して骨盤底筋群の運動が改善や予防を期待できるといわれています。当法人では、自宅退院後も自立した排泄をおこなうことができるように骨盤底筋群の運動療法指導に力を入れており、退院後も尊厳ある生活を送っていただけるように取り組みをおこなっております。

退院後のリハビリ(外来、訪リハ、通リハ)

当法人では病院を退院した後も継続したリハビリが必要な方や、在宅生活に不安がある方に対して、通所リハビリ、訪問リハビリなど、患者さん個々に応じたサービスを提供しています。また、病院と事業所が連携を強化し患者さんの情報をスムーズに引継ぐことで、退院後も切れ目のない継続したリハビリを受けるが可能となっております。

ドリームステイはばたき(住宅型有料老人ホーム)

病院での治療やリハビリ、一定の療養をした後も、すぐに退院するにはまだ不安を感じられる方に関しましては、白十字リハビリテーション病院に併設する住宅型有料老人ホーム『ドリームステイはばたき』に入所することができます。入所中は、通所リハビリや介護を受けながら自宅での生活を想定した「ならし運転」をして頂き、自宅や施設に安心して戻れる準備をすることができます。

早期リハビリテーション

近年、寝たきりによる筋力低下や床ずれなどの様々な合併症も問題視されています。ご高齢な患者さんでは特に、一度落ちた筋力を戻すのは容易ではなく長い期間を要します。そのため入院後、もしくは術後早期よりリハをおこなうことが重要です。もちろん身体の調子がすぐれない方も多い為、ベッドに寝たままおこなう運動やベッドに腰掛けておこなう体操など体の調子に応じてプログラムを立案しています。『安心、安全で1日も早く社会復帰ができる』ように医師・看護師と連携しながらリハを提供できる体制を整えています。

がんリハビリテーション

がん患者さんはがんの進行もしくはその治療の過程で、認知障害、嚥下障害、発声障害、運動麻痺、筋力低下、拘縮、しびれや神経因性疼痛、四肢長管骨や脊椎の病的骨折、上下肢の浮腫など様々な機能障害が生じ、それらの障害によって移乗動作や歩行、日常生活動作(以下,ADL)に制限を生じ、QOLの低下をきたしてしまいます。当法人のがんリハビリテーションでは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のチームにてこれらの問題に対して二次的障害を予防し、術前や術後から機能や生活能力の維持・改善を図ることを目的にリハビリテーションをおこなっています。

がんリハビリテーションカンファレンス

手術前後より定期のチームミーティングを開催し主治医中心にチームで情報共有し、心身共にサポートします。

手術前のリハビリテーション

がんの手術を受けられる方は術後どのようなリハビリテーションをおこなうのかなど不安がいっぱいあると思います。主治医の指示に応じて、パンフレットを用いて、リハビリテーションスタッフからリハビリテーションの説明と手術前に必要な運動や自主練習の指導をおこないます。

リンパ浮腫指導

乳腺外科で手術をされた患者さんに対して、術後からリンパ浮腫指導をっておこなおります。また、退院後も主治医の指示に応じて、スリーブの処方やリハビリテーションをおこなっております。

心臓リハビリ

心血管疾患を罹患された患者さんは症状が目に見えにくい分、在宅生活においての不安やきつさを相談しにくい方も多くいらっしゃいます。そのような方に対して、医師・看護師・リハ・薬剤師・栄養士・医療社会福祉士で構成されたハートチームで対応をしています。入院中からパンフレットを用いて心血管疾患に対する説明をおこないながら退院後の不安や注意すべきおとをお話ししています。リハビリテーションでは個別リハだけでなく教育も兼ねた集団リハもおこなっており、退院後の生活における工夫や心肺運動負荷試験の結果に基づいた適切な運動負荷量に関してお話をしています。