令和5年度 社会医療法人財団白十字会 白十字病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 46 90 112 259 494 826 1804 1702 702
令和5年度に退院された患者さんを10歳刻みの年齢階層別に集計したものです。
下記に病院情報の公開が始まった平成27年度からの平均年齢と75歳以上の患者さんが占める割合の年次推移を示します。年々高齢化が進んでいることが表れています。また、90歳以上が初めて700名を超えるようになりました。

平成27年度:70.4歳  46.5%
平成28年度:71.0歳  47.7%
平成29年度:71.3歳  49.0%
平成30年度:71.8歳  49.6%
令和元年度:72.2歳   52.0%
令和2年度:72.8歳   53.7%
令和3年度:72.4歳   52.6%
令和4年度:73.6歳   55.9%
令和5年度:73.3歳   55.0%

当院では小児科、産科を有していない為、若年層は少数です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
心臓血管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、陳旧性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術(PCI)等 84 5.37 4.26 1.19% 68.51
050130xx9900x0 心不全 手術なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 72 19.32 17.38 6.94% 83.67
050050xx9910x0 狭心症、陳旧性心筋梗塞 心臓カテーテル検査(CAG) 他院からの転院以外 62 4.11 3.05 1.61% 68.79
050050xx9920x0 狭心症、陳旧性心筋梗塞 心臓カテーテル検査(CAG)+血管内超音波検査等 他院からの転院以外 30 3.17 3.25 0.00% 72.03
050210xx97000x 徐脈性不整脈 ペースメーカー移植術等 26 14.04 9.77 3.85% 81.00
当科では、循環器専門医、心臓カテーテル(冠動脈インターベンション)専門医、不整脈専門医が在籍し、心不全、虚血性心疾患、不整脈疾患の救急症例にも、24時間365日、幅広く対応しており、一般医家の先生からお問い合わせ、ご紹介や救急搬送症例も多いです。ただ、高齢化に伴う心不全症例の増加(心不全パンデミック)に対応するためには、急性期を当院が担い、慢性期の治療やリハビリに関しては、白十字リハビリテーション病院など近隣の医療機関と連携しながら、適切な慢性期療養、リハビリも提供していく必要があるものと考えています。

そして、心臓弁膜症センターとしても、心臓弁膜症のスペシャリストの医師が在籍しておりますので、心臓弁膜症の診断、治療に関しても、最適で最先端の治療法を提案、もしくは、提供できますので、お困りの方はぜひともご相談ください。

なお、当科の特色や診療実績に関しましては、当院ホームぺージの「部門・診療科」から「心臓弁膜症センター」ならびに「心臓血管内科」を参照ください。
脳・血管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、JCS10未満) 手術なし エダラボンあり 発症前Rankin Scale 0~2 51 16.20 15.70 33.33% 71.37
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、JCS10未満) 手術なし エダラボンあり 発症前Rankin Scale 3~5 27 19.33 19.17 59.26% 82.59
010230xx99x00x てんかん 手術なし 18 13.50 7.19 27.78% 81.94
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 18 16.39 20.60 38.89% 88.44
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、JCS10未満) 手術なし 脳血管疾患リハビリテーションあり 発症前Rankin Scale 0~2 17 14.12 15.57 35.29% 72.65
当院は一次脳卒中センター(Primary Stroke Center:PSC)コア施設であり、脳梗塞急性期管理にリハビリテーションを早期から取り入れ、臨床病型を考慮して、再発予防に努めています。また脳梗塞超急性期の血栓回収術や頸動脈高度狭窄症に対して頸動脈ステント留置術や脳血管形成術などの血管内治療を緊急または待機的に施行しています。急性期加療の終了時に自宅退院やリハビリテーション目的で転院しています。脳梗塞患者の平均在院日数は、経年的に短くなっています。当科では、てんかんや内科疾患の中では誤嚥性肺炎の患者対応も多いです。
消化管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 119 2.97 2.61 0.00% 71.81
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) 手術あり 34 9.56 10.92 2.94% 72.97
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 33 8.06 7.58 0.00% 68.24
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 18 9.33 7.61 0.00% 75.72
060102xx02xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 小腸結腸内視鏡的止血術等 16 11.19 9.32 0.00% 77.56
消化管内科では消化管の感染症から悪性腫瘍まで多種多様の疾患を扱っています。当科が扱っている疾患の中で最も多く、最近著しく増加している疾患は大腸の腫瘍(癌、腺腫)です。近年、日本人の食生活の欧米化や飲酒量の増加などが原因で大腸がんが増えています。大腸癌のほとんどは良性の腺腫を起源としており、定期的に内視鏡検査を行って、癌になる前の状態で内視鏡治療を行うことが欧米でも本邦でも推奨されています。また、高齢者社会を反映した大腸の憩室疾患(憩室出血や憩室炎など)も増加傾向にあります。なかでも憩室出血は緊急を要する場合も多く、血便を認めた場合は早めに受診していただき、緊急内視鏡を受けていただく必要があります。
肝臓・胆のう・膵臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060300xx97100x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術あり 22 9.95 11.31 4.55% 67.73
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術あり 15 13.40 10.24 6.67% 73.93
060300xx99x00x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 12 15.00 10.88 0.00% 67.83
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 10 10.20 8.22 0.00% 74.10
060350xx99x00x 急性膵炎、被包化壊死 手術なし 10 10.50 10.22 10.00% 66.80
当院では慢性肝疾患、および肝硬変を背景とした肝細胞癌に罹患した患者様が多くおられます。肝細胞癌の治療としては全身状態、肝障害の程度に左右され、当院では外科手術、カテーテル治療、エコーガイド下ラジオ波焼灼術、化学療法などを行っています。また肝硬変に伴う合併症の治療として食道・胃静脈瘤は、破裂によって致命的な出血を起こすことも多く、予防治療として上部消化管内視鏡を使用した治療を行います。その他、腹水貯留や肝性脳症なども合併症として挙げられ、緊急入院での加療を行うこともあります。胆膵領域では急性膵炎や急性胆嚢炎、胆管炎に対する全身管理を行うこともあります。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 39 10.03 11.49 7.69% 71.13
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 27 15.89 7.57 0.00% 69.37
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 人工腎臓導入 21 15.05 13.81 0.00% 65.86
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術あり 18 13.50 13.90 0.00% 75.17
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 17 4.82 4.51 0.00% 76.29
腎臓内科の症例で最も多いのは、慢性腎不全(手術等なし)の治療です。慢性腎不全は外来でも治療可能ですが、食事指導 血圧管理 全身精査を目的に短期評価教育入院を行っています。また同疾患は合併症が多く、その合併症治療のために当科入院となることが頻回です。2,4位は慢性腎不全における血液透析導入前の内シャント作成術、あるいは腹膜透析導入目的に腹膜カテーテル挿入術を実施するための入院です。腎臓内科は内科医ではありますが、透析療法を有効に成立させるのためのアクセス作成を担当しています。3位は血液透析導入のための入院であり、自立した透析患者となっていただくべく入院中に指導教育を行います。5位は作成したシャント修復目的の入院となります。これらの入院を通じて、これからも地域の慢性腎臓病患者さんの生命を守り、安心して生活いただけるよう尽力して参る所存です。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病 インスリン注あり(教育入院など) 53 17.06 13.99 0.00% 67.68
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 22 22.68 20.60 13.64% 86.45
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病 手術なし 22 13.00 10.66 0.00% 62.91
110310xx99xxxx 尿路感染症 手術なし 15 14.47 13.52 6.67% 88.00
040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎 手術あり - - 36.11 - -
糖尿病内科の入院症例で最も多いのは、2型糖尿病の治療です。多くの2型糖尿病患者は外来で治療可能ですが、血糖値が非常に高く、体重減少や倦怠感、口渇など自覚症状が強い場合は入院になります。
入院中、多くの患者さんは糖毒性(高血糖の悪循環)を解除するため、強化インスリン療法(1日に3~4回インスリンを打つ)で血糖コントロールを行います。並行して血糖値が高くなっている原因を検査したうえで、インスリンから、それぞれの患者さんにあった内服薬への切り替えを行います。内因性インスリン分泌能(膵臓でインスリンを産生する能力)が低下しており、インスリン療法の継続が必要な患者さんには、自己注射および自己血糖測定の手技指導を行います。また、入院中に糖尿病教室に参加し、糖尿病の治療を継続していくために必要な知識(食事療法、運動療法、薬の効果と副作用、検査結果の見方など)を会得することを目指します。糖尿病の3大合併症(神経障害、網膜症、腎症)だけでなく、動脈硬化、悪性腫瘍の検査もあわせて実施しています。当科へ紹介される患者さんは、これらの合併症だけでなく、認知症やフレイル、サルコペニアを有している患者さんが多くなっています。
さらに、糖尿病性ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群、低血糖といった糖尿病に関連する急性疾患の治療にも対応しています。
また、当院では感染症(肺炎、尿路感染症など)やめまいは、内科系各科が分担して診療を行っており、糖尿病内科でも様々な感染症の治療にあたっています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 20 34.50 20.60 20.00% 87.40
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 14 18.21 13.52 7.14% 77.29
050130xx9900x0 心不全 手術なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 12 24.83 17.38 25.00% 87.08
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし - - 13.88 - -
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術なし - - 18.65 - -
市中病院として呼吸器感染症を中心に診ています。喘息やCOPDといった基礎疾患のある患者も多く、抗菌薬適正使用を心がけています。また、間質性肺炎の急性増悪の後療法も行っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 66 1.70 2.54 0.00% 77.56
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 39 2.67 4.82 0.00% 74.69
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 - - 4.88 - -
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 - - 4.46 - -
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 片眼 - - 6.10 - -
眼科の入院でもっとも多い症例は白内障です。全例手術を施行しており、日帰り手術や1泊入院で行います。また特殊症例(認知症やパニック障害)で局所麻酔での手術が難しい方は全身麻酔で同日両眼手術も行っています。
次に多い症例は糖尿病性黄斑で抗VEGF薬の硝子体注入を施行しています。
当院では糖尿病センターがあり今後治療症例はますます増加するものと思われます。それ以外に増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術も行っております。
また加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対するVEGF薬の硝子体注入手術も行っています。
緑内障手術と白内障手術同時施行の水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術、その他緑内障手術も行っております。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 手術あり 25 4.52 3.93 0.00% 57.92
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 18 2.33 2.82 0.00% 75.39
160200xx02000x 鼻骨骨折 鼻骨骨折整復固定術等 13 4.62 4.63 0.00% 43.69
080150xx97xxxx 爪の疾患 手術あり 11 3.91 4.16 9.09% 48.73
080250xx971xxx 褥瘡潰瘍 手術あり - - 63.52 - -
当院では皮膚・皮下腫瘍の障害が多く、必要に応じ、CT、MRI検査をもとに治療方針を立てています。切除した組織は病理検査を行い、最終的な組織診断をつけています。近年高齢者人口の増加により眼瞼下垂の症例も多く、必要に応じ、眉毛下切開法、眼瞼挙筋前転術を行っております。高齢者人口の増加に伴い、心不全、脳梗塞、腎不全、糖尿病、末梢血管の硬化閉塞により虚血下肢や褥瘡潰瘍も多く、必要に応じ、下肢切断や皮弁形成術による加療を行っております。また、爪の治療も行っています。高齢者の爪は肥厚し、弯曲しているため爪切りが難しく、一般家庭では爪切り処置を行った場合、皮膚に傷をつけることがあります。そのような爪に対し、特殊な道具を用いて爪切り処置を行っています。今後高齢社会の進行によりこのような症例増加が予想されます。他科と協力し、全身状態を改善しつつ、診療科活動を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 169 23.83 25.50 83.43% 84.19
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 63 13.05 19.34 80.95% 82.14
160760xx97xx1x 前腕の骨折 手術あり 29 13.72 7.54 6.90% 76.24
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 25 31.36 14.00 20.00% 74.60
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 23 15.22 19.27 73.91% 73.91
例年同様最も多い症例は大腿骨近位部骨折であり、次いで脊椎の圧迫骨折となっています。救急搬入数増加に伴い、上記疾患も年々増加傾向です。いずれの症例も骨粗鬆症を背景とした骨折であり、高齢者が大半を占めます。内科の先生方にご協力いただきながら、早期手術、早期離床を行い合併症予防に努めています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症 低侵襲心臓手術(MICS)等 人工呼吸等あり 30 21.53 21.52 0.00% 63.43
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 四肢の血管拡張術・血栓除去術等 23 4.87 5.21 0.00% 78.57
050050xx0101xx 狭心症等 冠動脈バイパス術(CABG)等 人工呼吸等あり - - 21.38 - -
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 - - 10.42 - -
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術等 人工呼吸等あり - - 19.20 - -
白十字病院は2021年元西部市場跡地に新病院を設立し、心臓・弁膜症センターを立ち上げました。心臓病(心疾患)は、悪性新生物(がん)に次ぐ日本人の死因で、全死亡者に占める割合は15%を占め、日本人の6~7人に1人は心臓病で亡くなっていることになります。また心臓病のうち、約20%から30%が心臓弁膜症であり、人口高齢化を背景に増加しています。心臓・弁膜症センターでは、あらゆる心臓病(虚血性心疾患、心臓弁膜症、不整脈)そして血管(大動脈、末梢動脈、静脈系)を総合的、効率的に診療し、当院で治療が完結できることを目標としています。内科医・外科医が垣根を超え、コメディカルスタッフ(薬剤師、看護師、臨床工学技士、臨床検査技師、リハビリ師等)とカンファレンスを行い、各々の得意な分野で、または協同し、その患者さんに合った高度な医療を提供いたします。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 167 5.85 8.75 1.80% 78.33
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 101 5.83 4.55 0.99% 69.93
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 58 7.98 6.87 1.72% 67.69
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 45 6.47 5.98 0.00% 61.31
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 37 9.30 8.95 2.70% 72.35
救急病院である当院は、夜間や休日も24時間365日、外来当直やオンコールの救急診療体制を整備しています。緊急疾患だけでなく、術後や治療後の方にも安心していただけるように、問い合わせを受け入れ、適切に対応しています。必要な方には緊急手術や内視鏡的治療も行います。
また肝胆膵疾患の診断と内視鏡的治療、腹腔鏡手術、高難度のがん手術は、当外科の看板診療のひとつであり、努力と研鑽を重ねています。
当ホームページの「部門・診療科」から「肝胆膵センター」をクリックしてご参照下さい。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳癌 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの)等 45 13.42 9.88 0.00% 70.27
090010xx97x0xx 乳癌 その他の手術あり 15 2.47 6.59 0.00% 58.47
090010xx02xxxx 乳癌 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 13 5.15 5.64 0.00% 62.54
090010xx99x40x 乳癌 手術なし 化学療法(ドセタキセル等) 10 3.20 3.51 0.00% 55.90
090010xx99x80x 乳癌 手術なし 化学療法(ペルツズマブ) - - 3.55 - -
当院では乳がんを中心に乳腺症、乳腺炎、乳腺膿瘍、乳腺線維腺腫、葉状腫瘍、女性化乳房症などの良性疾患まで対応、診療しています。特に乳がんの治療については健診、診断から手術、薬物療法、およびその治療後のフォローアップを一貫して行っています。再発症例に対しても、患者さんやご家族も含めた身体的・精神的な支持療法を積極的に行い、安心して癌の治療を受けられるように努めています。また、乳腺専門医のみではなく、多職種の密接な連携のもと、集学的治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 62 8.71 8.38 16.13% 76.24
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 54 17.44 11.87 25.93% 82.70
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 42 4.07 2.95 0.00% 61.90
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 40 18.00 19.09 62.50% 77.95
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 33 8.48 8.94 0.00% 63.12
脳神経外科では頭部外傷症例を最も多く認め、それにともない慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫洗浄ドレナージ術を必要とする症例も多く認めます。また、2021年より脳卒中センターを開設し、出血性脳卒中例も多く認め、手術を要する脳出血に対しては神経内視鏡を用いた低侵襲手術を積極的に行っています。さらに、近隣の病院より未破裂脳動脈瘤の紹介も増加し、診断カテーテル検査や、その後の開頭クリッピング術や脳血管内治療も行っています。当院ではリハビリテーションにも力を入れ、必要な場合、回復期リハビリテーション病院や地域包括病床に転院/転床して、リハビリテーションを継続できるように取り組んでいます。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 (TUR-P) 109 9.83 7.75 2.75% 76.29
11012xxx02xx0x 尿路結石 経尿道的尿路結石除去術 (TUL) 100 7.96 5.22 7.00% 68.32
110070xx03x0xx 膀胱癌 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 (TUR-BT) 90 7.51 6.85 1.11% 77.44
110080xx991xxx 前立腺癌 手術なし 70 2.34 2.44 0.00% 73.79
11012xxx03xxxx 尿路結石 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL) 40 2.13 2.43 0.00% 50.90
2021年4月より女性泌尿器科医師が一人加わり4人で診療を行っています。症例数が一番多いのは高齢者男性の排尿障害の前立腺肥大症です。従来からの経尿道的前立腺切除術に加えて、2020年より超高齢者や、合併症のある方でも行える低侵襲なツリウムレーザーによる経尿道的前立腺レーザー蒸散術も行っております。次に多く入院されている尿管結石に対しては、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)とESWLで困難な下部尿管結石、嵌頓結石、珊瑚状結石に対して経尿道的尿管結石砕石術(TUL)と経皮的腎結石砕石術(PNL)を積極的に行っております。3番目に多く入院されている膀胱癌に対しては、膀胱温存の為の各種治療法(経尿道的膀胱切除、抗癌剤、膀胱注入療法など)から根治的膀胱全摘術、多剤併用化学療法、免疫チェックポイント阻害剤まで行っています。根治的手術の際はQOL(生活の質)を重視した自然排尿型代用膀胱、各種尿路変更が選択可能です。4番目に多く入院されているのは、前立腺癌のPSA検診で異常を指摘され、前立腺生検目的の患者さんです。この入院は基本的には1泊2日の入院となっています。仙骨麻酔にて痛みを減らし直腸診、膀胱鏡、前立腺エコー、前立腺針生検を行います。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 4.73 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし - - 20.60 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.52 - -
050070xx9701xx 頻脈性不整脈 手術あり - - 23.83 - -
130100xxxxx0xx 播種性血管内凝固症候群 手術なし - - 18.87 - -
当科は福岡市内および糸島地区の多岐にわたる救急疾患を受け入れております。搬送患者は脳卒中、虚血性心疾患ならびに交通外傷、そして心肺停止などの軽傷から重症患者まで24時間365日対応できる体制を整えております。また、往診医療機関からの紹介も積極的に受け入れをおこない、地域の救急医療を担う役割を行っています。当科における重症患者にいたってはICUおよびSCUに入室し、専門医師のもと集中治療管理をおこなうことができます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 19 - 11 - 10 - 1 8
大腸癌 19 21 29 29 18 10 1 8
乳癌 25 46 14 - 10 10 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - 20 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では、消化管内科、肝胆膵内科、外科、乳腺外科で上記5大癌のうち、消化器癌、乳癌の診療を行っています。
それぞれの診療にあたっては、各種癌治療ガイドラインに準じた治療を行っており、早期癌、進行癌のそれぞれの病期に対する適切な治療を努めています。消化管であれば、早期癌に対しては内視鏡治療を行い、手術が必要な場合、胃癌、大腸癌では、腹腔鏡下手術を行っています。今年5月には手術支援ロボット(ダヴィンチXi)を導入し、大腸癌手術をロボット支援下に行っています。
切除不能進行癌、再発の患者さんの治療には、腫瘍内科医と相談し、適切な化学療法を安全に実施する体制を整えています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 12.30 63.50
中等症 67 15.63 80.84
重症 15 22.73 84.47
超重症 - - -
不明 - - -
当院の肺炎患者は経年的に増加し、地域医療支援病院として地域の先生からのご紹介や救急車で搬送される患者が多いです。重症度でみると中等症が多く、例年通りです。全国的な特徴と一致して平均年齢も高いです。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 246 20.73 78.46 41.75%
その他 39 18.03 75.90 5.61%
rt-PA静注療法(血栓溶解療法)が2005年に本邦で認可され、当院では2021年(令和3年)より血栓回収療法などの血管内治療も行っています。一過性脳虚血発作や脳梗塞の発症後早期に来院される傾向が強まっており、当院では脳梗塞発症日から3日以内の症例数が主体(86%)です。脳梗塞急性期と一過性脳虚血発作の症例は、基本的に緊急入院の対象となり、点滴と内服薬を投与して、危険因子や動脈硬化などの精密検査を行い、脳梗塞再発予防の為に薬剤の選択を判断します。当院の脳卒中患者のリハビリテーション開始平均日数は1.44日で、比較的早期にリハビリテーションを開始しております。2021年移転前の回復期リハビリテーション病棟が白十字リハビリテーション病院となり、当院の近隣にある為、脳梗塞後のリハビリテーションが継続して必要な方々にも、スムーズにリハビリテーションの継続が行えるように心掛けています。脳梗塞の平均年齢は78歳前後で高齢者が多く、脳梗塞に伴う合併症にも注意して診療を行っています。当院は福岡市西区で唯一のPSC (Primary stroke center)コア施設であり、地域に密着した脳卒中診療を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
心臓血管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 49 2.37 2.71 2.04% 69.41
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) 30 3.10 2.43 3.33% 66.40
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 20 3.75 10.65 5.00% 80.30
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 16 0.19 21.56 6.25% 70.81
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) - - - - -
当科では、虚血性心疾患に対する冠動脈インターベンション治療(PCI : percutaneous coronary intervension)、徐脈性不整脈に対するペースメーカー植込み術(リードレスペースメーカーを含む)、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション(カテーテルアブレーションは2023年7月より開始しました)の手術を行っております。それに加え、心原性ショックや致死的不整脈の重症症例に対する、大動脈内バルーンパンピング(IABP : intra-aortic balloon pumping)や経皮的心肺補助(PCPS : percutaneous cardiopulmonary support)による集中治療や救命も可能です。これらの治療や手術は、ペースメーカーこそ小切開を要しますが、それ以外は基本的には経皮的(切開をせずに)に実施することが可能であり、患者さんにとっては低侵襲に実施可能な治療行為となります。

なお、当科の手術実績に関しましては、当院ホームぺージの「部門・診療科」から「心臓弁膜症センター」ならびに「心臓血管内科」を参照ください。
脳・血管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 16 0.00 21.88 68.75% 83.56
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
K178-2 経皮的脳血管形成術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
K178-5 経皮的脳血管ステント留置術 - - - - -
当院の脳卒中センターでは、脳梗塞超急性期の血栓回収術に加えて頸動脈高度狭窄症に対して頸動脈ステント留置術や脳血管形成術などの血管内治療を緊急または待機的に施行しています。一次脳卒中センター(Primary Stroke Center:PSC)コア施設としての役割を担っています。
消化管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 111 0.77 1.48 0.00% 72.07
K654 内視鏡的消化管止血術 32 1.09 8.41 6.25% 70.66
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 20 2.15 6.05 0.00% 73.40
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 19 1.00 7.53 0.00% 75.89
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 13 0.62 2.38 0.00% 69.62
消化管内科で最も多く行っている治療、手術は大腸腫瘍(良性、悪性)に対する内視鏡治療(ポリペクトミー、EMR、ESD)です。近年、日本人に食生活の欧米化や飲酒量の増加などが原因で大腸の腫瘍が増加しています。内視鏡機器の進歩で術前に腫瘍の良悪性を概ね正確に診断できるようになっており、良性と思われる腫瘍で大きさが10mm以下の病変に対してはコールドポリペクトミーを基本とした治療を行ない、日帰りまたは短期間の入院で治療が可能となっています。より大型の腫瘍や悪性と考えられる病変に対しても精密検査の上で適切に内視鏡治療を行っております。また、次に件数の多い治療は消化管出血に対する内視鏡的止血術で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血や大腸の憩室出血に対して内視鏡的止血術を行っています。
肝臓・胆のう・膵臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 24 1.21 8.50 4.17% 65.17
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 24 5.88 7.21 8.33% 70.25
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 11 2.64 11.00 0.00% 74.00
K635-2 腹腔・静脈シャントバルブ設置術 - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) - - - - -
肝硬変の合併症として多く見られる肝細胞癌は、癌が大きかったり小さくても多数認められる場合には、カテーテル治療(肝動脈化学塞栓療法)を当院では行っています。個数が少なく、それぞれが大きくなければエコーガイド下に局所療法(ラジオ波焼灼療法やエタノール注入療法)を行っています。また切除不能であっても、肝機能が保たれている場合は化学療法の導入も行っています。肝硬変の合併症として胃や食道に静脈瘤を認めることがありますが、一定の大きさ以上になったものや急速に増大傾向を認めるものなどは内視鏡的に治療(内視鏡的食道静脈結紮術や内視鏡的食道静脈硬化療法)を行います。肝硬変患者さんは腹水に困ることもありますが、外来での加療で効果不充分な場合や急いで症状を和らげる必要がある際には、入院にて、腹水を採取し腹水中の栄養を透析器で濾過し点滴で体内に戻すこと(腹水濾過濃縮再静注法)なども積極的に行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 36 6.83 14.19 0.00% 70.42
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 19 2.00 5.53 0.00% 75.26
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) - - - - -
K607-3 上腕動脈表在化法 - - - - -
内シャント作成術は当院では腎臓内科が行っています。血管吻合にはある程度習得技術に時間を要しますが指導医が若手に指導しながら技術を継承しています。また同シャントに対する修復術が第1,2位を占めます。第3位である中心静脈注射用植込型カテーテル設置術はカテーテル留置下にも関わらず長期間外来で血液透析を行うことが出来る手法であり、第5位の上腕動脈表在化術とともに後期高齢者の透析導入症例が増加している昨今、内シャントに継ぐ主流の透析用アクセスとなることが見込まれています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 69 0.06 0.71 0.00% 77.45
K2686 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術) 35 0.03 0.94 0.00% 75.03
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) - - - - -
K2684 緑内障手術(緑内障治療用インプラント挿入術)(プレートのないもの) - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) - - - - -
眼科の入院でもっとも多い症例は白内障です。全例手術を施行しており、日帰り手術や1泊入院で行います。また特殊症例(認知症やパニック障害)で局所麻酔での手術が難しい方は全身麻酔で同日両眼手術も行っています。
次に多い症例は糖尿病性黄斑で抗VEGF薬の硝子体注入を施行しています。
当院では糖尿病センターがあり今後治療症例はますます増加するものと思われます。それ以外に増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術も行っております。
また加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対するVEGF薬の硝子体注入手術も行っています。
緑内障手術と白内障手術同時施行の水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術、その他緑内障手術も行っております。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2193 眼瞼下垂症手術(その他のもの) 13 0.08 1.00 0.00% 76.23
K427 頬骨骨折観血的整復術 11 2.27 4.45 0.00% 55.45
K0911 陥入爪手術(簡単なもの) - - - - -
K0063 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上,12㎝未満) - - - - -
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) - - - - -
近年高齢者人口の増加により、眼瞼下垂や内反症の症例が多くなっており、必要に応じ、眉毛下切開法、眼瞼挙筋前転術、内反矯正手術を行っております。
当院では外傷症例も多く、顔面骨骨折の紹介を多く受け、整復術が必要な症例が増えております。麻酔科一任のもとで骨折部を整復し、必要に応じ、吸収プレートで固定を行います。爪変形の症例も対象としており、陥入爪や巻き爪に対し、疼痛改善を目的とした矯正手術を行っております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 大腿、上腕 136 4.45 19.27 70.59% 82.59
K0811 人工骨頭挿入術 股 68 4.60 20.28 82.35% 84.00
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 49 5.18 14.08 18.37% 72.16
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 30 1.40 7.53 0.00% 66.77
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、足、指 24 3.08 15.08 16.67% 58.71
本年度の手術総数は479件で年々増加傾向です。例年同様、大腿骨近位部骨折の症例数が最も多いため、同骨折に対する手術が最多となっています。本症例はガイドラインで受傷後可及的早期に手術加療を行うことが推奨されています。当院では麻酔科、内科、他コメディカルと密に連携をとり、可能な限り早期の手術を心がけています。また骨粗鬆症パス及び地域連携パスを導入しており、二次骨折予防のため早期に治療介入を行い、円滑に回復期リハビリテーション病院に転院いただく体制を整えています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 30 1.37 4.53 0.00% 78.20
K554-21 胸腔鏡下弁形成術(1弁のもの) 18 2.89 18.44 0.00% 60.00
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(2吻合以上のもの) 10 3.80 13.00 0.00% 69.10
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 - - - - -
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) - - - - -
心臓血管外科は心臓や血管の外科手術を担当する診療科です。手術用顕微鏡(オーブアイ)を用いた心臓弁膜症手術(右小開胸で行う低侵襲心臓手術;MICS手術)、冠動脈バイパス手術、動脈瘤・動脈解離などに対する人工血管置換術等の心臓手術や、ハイブリッド手術室でのステントグラフト手術(胸部、腹部)、閉塞性動脈硬化症に対するバイパス手術、血管内治療、急性動脈閉塞に対する血栓除去術、下肢静脈瘤(レーザー焼灼術)などの末梢血管手術を行っています。低侵襲心臓手術(MICS手術)での僧帽弁形成手術、オフポンプでの冠動脈バイパス手術、動脈瘤に対するステントグラフト治療を含め、患者さんにとって低侵襲かつ高度な手術治療に力を入れています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 122 3.20 5.77 3.28% 66.69
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 120 1.57 6.81 2.50% 77.36
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 96 1.50 4.31 1.04% 69.93
K6852 内視鏡的胆道結石除去術(その他のもの) 70 0.36 2.91 0.00% 78.34
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 36 8.47 16.44 8.33% 74.83
当院では最新の情報と設備を導入し、腹腔鏡手術に積極的に取り組み、年毎に手術症例を増加させています(2023年度腹腔鏡下手術420例)。
消化器がん(胃癌・大腸癌)、胆石症、虫垂炎、ソケイヘルニア、腹壁ヘルニア、直腸脱など、対象とする疾患は様々ですが、それぞれ根治性を大切にしながら、回復期間と整容性に優る、きずの小さな手術を行っています。とくに大腸癌においては、大学病院と連携してロボット手術を含む最先端の治療を提供できるように尽力しています。胆石症やヘルニアでは、きずがより小さい細径鉗子を用い、きずの数も少ない単孔式あるいは減孔式手術も行います。また胆管結石症による急性胆管炎、あるいは胆道・膵臓癌による閉塞性黄疸に対して、ERCP手技を利用したステント治療を行っています。胆管結石に対しては、内視鏡的に結石除去術を行います。これらの内視鏡的治療は、低侵襲で安全性が高く、高齢者においても理想的な治療と言えます。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 25 1.00 11.92 0.00% 75.08
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 18 1.06 11.17 0.00% 64.00
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 13 1.00 3.15 0.00% 62.54
K474-31 乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術(一連につき)(マンモグラフィー又は超音波装置によるもの) - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
当院では乳がんを中心に乳腺症、乳腺炎、乳腺膿瘍、乳腺線維腺腫、葉状腫瘍、女性化乳房症などの良性疾患まで対応、診療しています。特に乳がんの治療については健診、診断から手術、薬物療法、およびその治療後のフォローアップを一貫して行っています。再発症例に対しても、患者さんやご家族も含めた身体的・精神的な支持療法を積極的に行い、安心して癌の治療を受けられるように努めています。また、乳腺専門医のみではなく、多職種の密接な連携のもと、集学的治療を行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 50 0.76 13.28 22.00% 82.66
K1781 脳血管内手術(1箇所) 31 2.32 16.55 19.35% 67.48
K142-8 顕微鏡下腰部脊柱管拡大減圧術 23 2.30 11.30 0.00% 61.17
K142-4 経皮的椎体形成術 18 3.39 16.44 22.22% 72.94
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 18 4.50 15.56 33.33% 79.78
2021年に脳卒中センターを開設し、手術症例数が増加しています。当院ではハイブリッド手術室内に最新型の血管撮影装置を導入しており、脳血管内手術に関しては、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術を中心に、頸動脈ステント留置術や血栓回収術、血管奇形に対する塞栓術を行っています。また脳血管内手術と直達手術の複合手術を必要とするような高難度脳卒中症例でも、患者さんが移動することなくハイブリッド手術室1部屋で治療が完結できるようになりました。2022年より脊椎末梢神経手術を開始しました。近隣の病院からも紹介いただき、脊柱管狭窄症に対する除圧術や圧迫骨折に対する経皮的椎体形成術などの手術症例が増加しています。また、脳出血に対して低侵襲治療である神経内視鏡手術を積極的に行っています。また、開頭手術では最新型の手術顕微鏡やナビゲーションシステムを用いて安全な手術を心がけています。認知症の増加に伴い、正常圧水頭症の精査加療依頼も増えています。脳卒中や外傷患者で、術後片麻痺や言語障害(構音障害、失語症)が残存する患者さんに対しては、急性期よりリハビリテーションを積極的に行い、早期社会復帰を目指しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 93 2.41 4.87 7.53% 67.70
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 90 1.39 5.46 2.22% 77.73
K841-22 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ツリウムレーザーを用いるもの) 51 1.20 9.71 3.92% 76.65
K841-5 経尿道的前立腺核出術 51 1.84 5.41 0.00% 75.75
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 43 0.40 8.77 16.28% 75.65
泌尿器科では、年間380件程度の手術を施行しています。副腎摘除・根治的腎摘除・腎尿管摘除・腎盂形成などに対して、より低侵襲で短期間入院が可能な腹腔鏡手術を積極的に取り入れております。尿路結石に対しては、従来の身体に傷つけることなく結石を破砕する体外衝撃波結石破砕術(ESWL)と、ESWL困難症例などに経尿道的尿管結石砕石術(TUL)と経皮的腎結石砕石術(PNL)を行っております。また高齢者男性の排尿障害の前立腺肥大症に対しては従来からの経尿道的前立腺切除術に加えて2020年より超高齢者や合併症のある方でも行える低侵襲なツリウムレーザーによる経尿道的前立腺レーザー蒸散術も行っております。膀胱癌に対しては、膀胱温存のための各種治療法(経尿道的膀胱腫瘍切除、抗癌剤、膀胱注入療法など)から根治的膀胱全摘術、多剤併用化学療法、免疫チェックポイント阻害剤まで行っております。根治的手術の際はQOL(生活の質)を重視した自然排尿型代用膀胱、各種尿路変更が可能です。
2024年5月より手術支援ロボット(ダヴィンチXi)を導入し、より低侵襲で短期間入院が可能なロボット支援手術で腎がん(腎部分切除術、根治的腎摘出術)、前立腺がん(根治的前立腺全摘術)の手術を行っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 10 0.18%
180010 敗血症 同一 29 0.53%
異なる 10 0.18%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 18 0.33%
異なる - -
播種性血管内凝固症候群と敗血症は、肺炎や尿路感染症が原因で続発して発症している症例が多く、入院契機とは異なる疾患から全身状態が悪化し発症するものがほとんどです。
手術・処置等の合併症は、腹膜透析関連の感染症や骨折等の手術後の感染症があり、これらは一定の確率で合併症が生じるとされていますが、最新の医学情報と医療整備を導入し、合併症の予防と治療に努めています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
883 800 90.60%
肺⾎栓塞栓症/深部静脈⾎栓症(静脈⾎栓塞栓症)は突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な疾患で、しばしば⼤きな⼿術後や⻑期臥床の際に起こります。この予防⽅法には弾性ストッキングの着⽤や間歇的空気圧迫装置の使⽤、抗凝固薬療法があり、リスクレベルに応じて単独あるいは併⽤が推奨されており、当院でもリスク分類し周術期の肺⾎栓塞栓症の予防⾏為の実施をしております。これにより急性肺⾎栓塞栓症の発⽣率を下げることにつながると考えております。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1513 1491 98.55%
血液培養は、①血液採取量が増えることによる感度上昇、②皮膚常在菌が検出された場合のコンタミネーションの判定、の2つの理由から、2セット採取することが望ましいとされています。
当院の血液培養2セット採取率は98.55%と高く、今後も高水準を維持していきたいと考えております。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
682 547 80.21%
感染症の初期治療において、起炎菌が判明するまでは広域スペクトルの抗菌薬を用いた経験的治療が行われます。そして、起炎菌が同定された後には、感受性に応じたde-escalation(抗菌薬の狭域化)を積極的に行うことが推奨されています。したがって、適切にde-escalationを行うためには、各種臨床検体の培養やグラム染色によって起炎菌を同定することが必要です。
当院では、広域スペクトル抗菌薬投与開始時の各種細菌培養実施率は80%にとどまっており、de-escalationの根拠となるべき検査が20%の症例で行われていません。抗菌薬適正使用推進のため、広域スペクトル抗菌薬投与開始時の細菌培養実施率をさらに高めていく必要があります。
更新履歴
2024/9/27
令和5年度 病院指標掲載