

白十字病院
脳神経外科
進化する脳外科医療
診療内容・特色
はじめに
診療内容・特色
脳血管障害 | 未破裂脳動脈瘤、くも膜下出血(脳動脈瘤破裂)、脳出血、脳動脈瘤解離、 脳動静脈奇形、脳梗塞、モヤモヤ病、頚動脈狭窄症など |
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脳腫瘍 | 神経膠腫、髄膜腫、聴神経腫瘍、転移性脳腫瘍、下垂体腫瘍など |
外傷 | 急性硬膜外・下血腫、脳挫傷、頭蓋骨骨折、慢性硬膜下血種、顔面外傷など |
脊椎末梢神経 | 頚椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、手根管症候群、殿皮神経障害、 肘部管症候群、足根管症候群、腰痛、手足の痺れなど |
その他 | 特発性正常圧水頭症(iNPH)など |
当科の特徴・特色
- 320列CT、3T-MRI、脳血管撮影装置、ナビゲーションシステムなど最新の診断装置を駆使し、すべての患者さんに対して最先端の診断および治療を行っています。
- 手術は脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、脊椎末梢神経に対する手術などに対応しています。 特に最新型の手術用顕微鏡を用いた開頭術や神経内視鏡手術を用いた低侵襲手術、ハイブリッド手術室での脳血管内治療と連携した複合手術に取り組んでいます。
- 緊急性の高い脳血管障害や頭部外傷に迅速に対応できるように、24時間受け入れ体制をとり、診療を行っています。
- リハビリテーション部と密に連携し、急性期および回復期リハビリテーションを365日体制で積極的に行っています。
医療機器について
- 手術用顕微鏡 ZEISS OPMI PENTERO 900
- 神経内視鏡システム (STORZ硬性鏡、Olympus軟性鏡)
- ナビゲーションシステム (Brainlab)
- DSA Philips Azurion (Hybrid operation room)
- 3T MRI Philips Ingenia
- 320列CT Canon Aquilion
代表疾患
●脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術

開頭術で脳の溝を分けて、チタンやステンレスでつくられたクリップで動脈瘤の根本を閉塞し、瘤への血流をせきとめます。正確にクリップがなされた場合は再発が非常に低いのが特徴です。

●脳内出血に対する神経内視鏡下摘出術
大きな脳内出血は生命予後が不良となるため、緊急での手術が必要です。以前は開頭による摘出術が行われていましたが、現在はより低侵襲(負担の少ない)神経内視鏡下手術を積極的に行っています。

●頚動脈狭窄症に対する頚動脈内膜剥離術
全身麻酔下に患側頚部を切開し、プラークを摘出します。摘出後は血管壁を縫合し、創を閉じて終了します。特に血管内治療に不利となる柔らかいプラークの際に有効な治療となります。

●頚動脈閉塞症に対する頭蓋内外バイパス術
主に頭皮の浅側頭動脈を剥離して、脳表の中大脳動脈に吻合することで、頚動脈閉塞で減少した脳血流を補い、脳梗塞の予防を行います。この手術はもやもや病に対しても有効であることがエビデンスとして示されています。
●脳腫瘍に対する摘出術
脳腫瘍はその種類により手術適応や手術方法が変わってきます。当院ではナビゲーションシステムや神経内視鏡、神経生理学的モニターを用いて、安全で確実な手術が行えるように努めています。

●脊椎末梢神経に対する手術
頚椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、手根管症候群、肘部管症候群、足根管症候群、殿皮神経障害、腰痛、手足の痺れなどに対して、様々な術式での治療を行っています。外来での痛みしびれに対するブロック注射も積極的に行っています。
●外傷性頭蓋内出血に対する手術
頭を強く打撲したとき、頭蓋骨骨折や頭蓋内血腫(硬膜外・下血腫)、脳挫傷を生じることがあります。血腫が大きく、脳の圧迫が強い場合、緊急に開頭して血腫を除去する手術が必要になります。また高齢者や抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を飲んでいる場合、軽く頭を打撲したときも、2~3ヶ月かけてゆっくりと血腫が生じることがあります(慢性硬膜下血腫)。この場合、物忘れや性格変化、歩行障害が出現するため、局所麻酔下に頭蓋骨に小さな穴を開けて血腫を洗浄除去する手術が必要となります。
診療実績
診療実績
2019年度~2021年度
症例 | |||
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2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
外来患者数(新患、再来のべ) | 3,128名 | 2,734名 | 2,646名 |
入院患者数 | 432名 | 402名 | 454名 |
手術症例数 | 133名 | 132名 | 237名 |
【直達手術】
開頭クリッピング術 | 未破裂脳動脈瘤 | 1 | 0 | 2 |
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破裂脳動脈瘤 | 5 | 4 | 0 | |
脳動静脈奇形摘出術 | - | - | 1 | |
頚動脈内膜剥離術 | 0 | 2 | 1 | |
開頭脳腫瘍摘出術 | 7 | 3 | 8 | |
脳室腹腔シャント術 | 3 | 5 | 5 | |
腰椎腹腔シャント術 | 5 | 3 | 7 | |
開頭血腫除去術 | 急性硬膜外血腫 | 2 | 1 | 3 |
急性硬膜下血腫 | 8 | 5 | 5 | |
・内視鏡使用 | 4 | 0 | 1 | |
脳出血 | 5 | 4 | 7 | |
・内視鏡使用 | 11 | 2 | 12 | |
慢性硬膜下血腫 | 0 | 2 | 1 | |
穿頭血腫洗浄ドレナージ術 | 慢性硬膜下血腫 | 67 | 84 | 71 |
脳室ドレナージ術 | 1 | 2 | 2 | |
頭蓋形成術 | 11 | 7 | 6 | |
その他 | 3 | 8 | 15 | |
直達手術合計 | 133 | 132 | 147 |
【脳血管内手術】
未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術 | - | - | 20 |
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破裂脳動脈瘤コイル塞栓術 | - | - | 8 |
急性期脳梗塞血栓回収術 | - | - | 27 |
頚動脈ステント留置術 | - | - | 14 |
頭蓋内 PTA/S | - | - | 7 |
頭蓋外 PTA/S | - | - | 4 |
脳腫瘍栄養血管塞栓術 | - | - | 4 |
AVM塞栓術 | - | - | 1 |
AVF塞栓術 | - | - | 1 |
その他 | - | - | 4 |
脳血管内手術合計 | - | - | 90 |
スタッフ紹介
[脳卒中センター長]井上 亨
INOUE TORU |
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[病院長補佐]林 修司
HAYASHI SHUJI |
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[部長]福田 健治
FUKUDA KENJI |
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[医長]藤原 史明
FUJIHARA FUMIAKI |
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[医長]神﨑 由起
KOUZAKI YUKI |
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[脳神経外科医長]髙木 友博
TAKAKI TOMOHIRO |
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