
診療看護師・特定看護師
地域の皆様へ
厚生労働省は、2015年秋「特定行為に係る看護師の研修制度」をスタートさせました。2025年に向けて、さらなる在宅医療などの推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師又は歯科医師の判断を待たずに、医師・歯科医師があらかじめ作成した手順書(指示)に則って、一定の診療の補助をおこなう看護師を養成しています。研修を修了した看護師は、従来の看護師よりも幅広い医療行為をおこない、レベルの高い技術と看護を提供していきます。
診療看護師について
診療看護師(NP)とは
診療看護師(nurse Practitioner;ナースプラクティショナー 以下NP)とは、看護職でありながら、医師サイドにたった診療を、一定の制限でおこなえる看護師です。具体的には今まで医師しかおこなうことができなかった動脈採血や呼吸器設定、薬剤調整などの医療行為を、直接的指示もしくは特定行為手順書※に沿っておこなえる様になりました。看護師をバックグランドに持ちながら、医師やコメディカル(医師以外の医療従事者)との共通言語を持っているため、チーム医療の架け橋としての役割を担っております。
また患者さんやそのご家族に対しても現状や今後の検査・治療方針を分かりやすい言葉で説明することが可能であるため、患者さんのご家族へのニーズをタイムリーに提供する事ができるのが魅力のひとつです。
※特定行為とは、診療の補助であり、看護師が手順書により行う場合には実践的な理解力、思考及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技術が特に必要とされる38行為の事。(厚生労働省ホームページより)
診療看護師の紹介
水迫 祐人

私はこれまで大学病院や市中病院、離島の病院などで勤務した経験から、医療者としてもっと広く深く知識や技術を身に付けたいと考え診療看護師を目指しました。2023年4月より新卒の診療看護師として当院で勤務しており、2年間は臨床研修として各科を回り勉強させていただいています。現場に出て医師の中で働くことは座学とは違う新しい学びが多く、とても充実した日々を過ごしています。毎日医学の勉強に追われていますが、診療看護師である私はその中でも看護の視点を忘れず、治療だけでない患者さんのためにできることを追及しています。これからも精一杯働き、患者さんや病院にとって有益な存在となれるよう努力していきます。
坂本 俊樹
私は2022年に診療看護師(NP)に認定されました。他施設での実務経験を経た後、今年度より、白十字病院で診療看護師として務めさせていただいております。現在は臨床研修センターに所属し、約1年半から2年間を予定とした卒後研修を開始させていただいております。卒後研修では複数の診療科をローテーションし、臨床で必要とされる診療能力の向上に努めていきたいと思います。
実際の現場での活動としては、診療看護師(NP)として医師や多職種と協同し、21区分38行為の特定行為をはじめとする一定の範囲の診療を実施させていただきます。また、看護師としての基盤を活かし、診療と看護、チームを繋ぎ、効果的で即時的な医療や看護を提供できるようにしていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【資格】
- 日本NP教育大学院協議会 診療看護師(NP)認定
- 21区分38行為全特定行為研修修了
- 看護師特定行為研修指導者講習会受講修了
- 看護師の特定行為に係る指導者リーダー養成研修会受講修了
金城 章泰
日本に診療看護師制が発足して10年以上が経ち、全国で診療看護師の名前も少しずつ聞かれるようになってきました。
しかし、全国の診療看護師はまだ1000名にも満たず、発展途上の段階です。
その中でも、当院は4名の診療看護師が在籍し、様々な分野で活動の幅を広げ、今後も増員を予定しています。
私は、現在心臓血管外科に配属され、日々学びを深めながら、タスクシフトの一端を担えるよう活動しております。心臓血管外科は一度手術に入ると長時間になる事が多く、術中は患者様への処置や指示がスムーズに行えない事もあるため、診療看護師が医師に代わってコメディカルの方々と連携を取りながら、患者様の診療にあたっております。
診療看護師の存在は、手術や外来診療で手が離せない医師の業務量軽減だけではなく、指示を待つコメディカルの方々の時間的負担の軽減、もちろん患者様自身に対してもメリットが大きいと感じています。
この施設で得た知識や技術を患者様へ還元できる喜びは、診療看護師を志して良かったと思える瞬間です。
今後も、より貢献度の高いスタッフを目指し精進したいと思います。
宜しくお願い致します。
特定看護師について
特定看護師とは
「特定行為に係る看護師の研修制度」を履修した看護師のことを指します。医師の指示を待たなくても、手順書を確認しながら修了した特定行為区分(医療行為)の処置ができます。(21区分38行為)
特定看護師の紹介
牛島 めぐみ
当法人の特定看護師は、日本看護協会が策定した資格認定制度の資格の一つで集中ケア認定看護師の資格を持っており、認定看護師として7年の実績があります。2020年特定行為研修を終了し、現在ICUにて勤務しています。ICUに入院される患者さんだけでなく、一般病棟に入院される患者さんも含め、状態変化が予測される患者さんに対して適切にアセスメントをおこない、重篤化の回避ができるような関わりをしていきたいと思います。また患者さんの「その人らしさ」を大切に回復を促進させられるケアを提供していきたいと思います。
与座 優
私は、患者様とそのご家族にとって、病院が少しでも辛い場所にならにようサポートしていきたいという思いから、クリティカルケア認定看護師の資格取得や、特定行為研修を修了しました。様々な理由で入院されている患者様の重症化の回避や、早期回復を促し、1日でも早く退院できるよう、特定行為を活用しながら「治療」と「生活」の両面から支援できるよう努めています。
【実施可能な特定行為(9区分20行為)】
- 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
- 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
- 循環動態に係る薬剤投与関連(2025年3月特定行為研修修了予定)
- 呼吸器(気道確保に係るもの)関連
- 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連
- 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連
- 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
- 動脈血液ガス分析関連
- 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連
入江 育美
2023年に2区分3行為の特定行為研修を修了し、現在外科病棟にて勤務しています。
外科病棟では、絶食中の患者さんへの高カロリー輸液の選択や術後の抗菌薬管理感染症に伴う敗血症ショックに対する抗菌薬管理を手順書に沿って実施しています。
日本看護協会が策定した資格認定制度の資格の一つである、感染管理認定看護師の資格も持っていますので感染予防を常に考え、院内の患者さんや医療従事者を感染から守れるように組織横断的な活動を目指しています。
野口 博嗣
私は、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師を取得し、主に急性期での脳神経内科、脳神経外科の患者様と関わらせていただく機会が多くありました。
その中で急性期での重篤化回避や合併症予防がその後の生活に大きく影響することを学び、また、疾患特性上意識障害や失語など自身の訴えを表出することが困難な患者様も多くいらっしゃいました。
その為少しでも早く患者様の変化に対応できるのような看護師となりたいと考えて、2020年に特定行為研修を受講しました。
今後は特定行為研修で学んだ知識、技術を活用しながら「care」と「cure」の両面から支援できるよう努めていきます。
【実施可能な特定行為(5区分9行為)】
- 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
- 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
- 呼吸器(気道確保に係るもの)関連
- 動脈血液ガス分析関連
- 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連
※当法人の特定看護師は、特定行為6区分15行為(呼吸器に係るもの、動脈血ガス分析、栄養に係るカテーテル管理、栄養及び水分量に係る薬剤管理、循環動態に係る薬剤管理)が実施できます。